こんにちは、練馬区の税理士須江です!
税理士の役割
税務の世界は判断に迷う事が多々あります。
いわゆるグレーゾーンと言われる部分の取り扱いであったり、法律や通達の解釈の仕方によって結果が変わってしまいます。
条文や通達を読み込み、専門書を読んで調べたり、時には過去の裁決事例や判例等を参考にする事もあります。
しかしながら、それでも判断に迷う事も多々あるのがこの仕事の難しい所だと思います。
通達や判例に似たような事例があったとしても、弊社の案件と前提条件が微妙に違うケースが殆どなので、その通達や判例通りに結論付けることが出来ない事も多々あります。
ある程度調べつくして一応の結論を自分の中で導き出しますが、税務調査で絶対に否認されないとは言い切れない事も多々あります。
もちろん、否認されないように徹底的に調べつくして理論武装しておきますが、100%不安をぬぐい切れることがないのが、税務の仕事だと思っていますし、だからこそ税理士という仕事が存在しているのだと思っています。
有料のサービスを使って見ました
最近もとある案件で判断に迷う事がありました。
かなりの時間を費やして調べて一応の結論は出たのですが、自分の判断が正しいかどうか不安な部分もありました。
そこで、とある業務に専門特化している税理士法人のセカンドオピニオンサービスを利用してみました。
もちろんお客様の資料を提供するため、お客様に理由を説明して、了承を得てからの利用となります。
結果は自分の判断と同様の結果でしたので、自分の判断に自信を深めることが出来ました。
無料のサービス
一般の方も利用できるサービスとして国税庁の電話相談センターがあります。
税務署に電話をすると、音声ガイダンスに従って電話相談センターに繋げるか、税務署に繋げるか選択します。
電話相談センターに繋げてもらうと、専門の相談員が出て、質問に答えてもらえます。
私もたまに利用しますが、あくまでも参考程度に利用する程度です。
理由としては以下の点が挙げられます。
・電話での相談なので、こちらの資料を見ることもありませんし、こちらの意図が上手く伝わらない事もあるから。
・あくまでも一般的な回答になるため、グレーゾーン関しては突っ込んだ判断はしてくれないから
・専門の相談員とは言え、あらゆる事象に対応できる訳ではないから
実際に利用した経験上、こちらの見解と違う回答が出ることも多く、こちらの見解の根拠条文や通達等を教えると、先生のおっしゃる通りでしたとなるケースが多いです。
こちらとしては、相手の能力を図る意味でも最初は事実関係のみを伝えて相手の回答である程度相談員の力量を見極める必要もあります。
相談員のレベルが低いと感じたときは、早々に電話を終わりにして、また別の日に電話をし直したりします。
一般の方は相談員の回答が絶対だと思うかも知れませんが、単純な質問であれば問題ないかもしれませんが、複雑な事案に関しては、相談員の回答が絶対に正しいとは言い切れない事もあります。
あくまでも電話による無料相談ですので、対応には限界があるということです。
無料のサービスはあくまでも参考程度に
他にもネットで検索すると税理士が無料で質問に回答しますと言うサービスがありますが、あくまで無料ですので、その回答は参考程度と認識をしておく必要があります。
私も、こういうサービスを利用したことがありますが、全然的はずれな回答をされることもありましたし、回答者の知識レベルに左右される部分が大きいです。
まとめ
弊社も初回相談無料のサービスを提供していますが、ホームページにも回答に関する責任は負いませんとの記述をしています。
税務の判断は、事実関係をきちんと把握して資料をきちんと見なければ正確な判断は出来ません。
無料相談ではそこまでの対応は出来ませんので、あくまでも一般的な回答にならざるを得ません。
税額に大きな差が出そうな事案で、専門家による的確な判断を仰ぎたいときは、無料のサービスではなく有料のサービスを利用することをお勧め致します。