こんにちは、練馬区の税理士須江です!
弥生PAPカンファレンスにて
先日弥生会計のPAP会員向けの弥生PAPカンファレンスに出席してきました。
今回の弥生PAPカンファレンスもクラウド会計に関する事が全体の8割位を占めていたので、弥生もクラウド会計にかなり力を入れている事が伺えます。
弊社は現時点で弥生会計のクラウド版を利用はしていません。
その理由はこちらの記事に記載しています。
どのソフトメーカもクラウド会計を推しているのは時代の流れですので、弊社もいずれ導入は検討していますが、今回の弥生の説明を受けても、導入はもう少し先だな~と思いました。
まだまだ、既存のデスクトップアプリケーションに比べると機能面や操作面で劣る部分が多い為、この辺りがもう少し改善されない限りはお客様にとっても弊社にとっても導入するメリットを感じられないですね。
しかし、弥生もユーザー側の様々な改善要求に対応しており、今年の秋位までにはかなりの改善を実現する予定との事でしたので、弊社も来年からはいよいよ弥生のクラウド会計を利用してみようかと思う様な内容でした。
クラウド会計の宣伝文句について
やよいに限らず沢山のソフトメーカーがクラウド会計をリリースしていますが、クラウド会計の宣伝文句はどのメーカーも「自動で帳簿が作成される」という事ですが、現実的に自動取り込みが出来るのはネットバンキングを契約している預金とクレジットカード位ですし取り込まれたデータが正しい勘定科目になっているかを確認して登録をする作業が必要です。
また、自動作成された仕訳が間違っていれば修正作業が必要になります。
ネットバンキングを契約している預金やクレジットカード以外の取引に関してはクラウド会計でも基本的には手入力になります。
従いまして、ソフトメーカーの「帳簿の自動作成」という宣伝文句に関しては非常に違和感を感じています。
クラウド会計で帳簿作成の時間が短縮されるのか
ソフトメーカーは帳簿が自動で作成されるので経理処理にかかる時間が大幅に削減されるという事を謳い文句にしていますが、現実的には中小企業に関してはそんなに変わらないかむしろ中途半端にクラウド会計を導入すると、お客様及び税理士双方の事務負担が増えると感じています。
きちんと設定をすれば確かに効果はあるかもしれませんが、お客様がご自身で正しく設定をするのはかなり大変だと思います。
また、弥生は今後「記帳代行支援サービス」を開始すると発表しました。
弥生の統計では中小企業の自計化率はここ7年間で3割程度で横ばいで推移しておりまだまだ記帳代行のニーズが高いというデータがあるそうで、そこで会計事務所向けに入力代行をするサービスを始めるという事でした。
このサービスの説明で気になった部分が、このサービスを利用した場合の会計事務所側の業務の効率化に関する試算でした。
従来の記帳代行サービスでは会計事務所が1顧問先あたり1ヵ月平均2時間かかっている所を、このサービスを利用する事で平均40分になるとの試算でした。
ここで思った事は、1社あたりの記帳代行にかかる会計事務所側の時間の平均が2時間という事は、クラウド会計にして削減できる時間は平均2時間以下という事になるのではと言う事です?
クラウド会計にすれば帳簿の作成にかかる時間が大幅に削減できますと言いながら、実際に従来の記帳代行業務にかかる1ヵ月当たりの平均時間が2時間程度という事は、クラウド会計にするメリットって何?と突っ込みたくなるような内容でした。
まとめ
クラウド会計に関しては時代の流れですし、弥生も今年の秋を目途に大幅な機能改善を予定している様なので、弊社でも来年辺りから導入をして行こうかと検討しています。
中小企業に関しては仕訳数もそんなに多い訳ではないので、現時点のクラウド会計ではクラウド会計を導入するメリットはあまり感じないのですが、10年後若しくは数年後にはAIが目覚ましく発展して、本当の意味での帳簿の自動作成が実現される日が来るかもしれませんので、引き続きクラウド会計の動向に関しては情報をキャッチアップして、弊社でも導入の方向で検討して行こうと考えています。